今日は、昨日のぺブリ県でたくさん羽化していた蝶のうち、
メスシロキチョウ(Ixias pyrene verna、英名:The Yellow Orange Tip)
です。

 水辺に集まるアゲハやシロチョウでは、アゲハは明るければ日が当ろうが当たるまいが無頓着に吸水を続けますが、シロチョウの仲間は、寒季と同様この季節でも水辺であっても日の当たるところにしか集まりません。
 日が雲に隠れたりすると日の当たるところを探して、直ぐに飛び立ってしまいます。
 ツマベニチョウなどは遠くまで飛んで行ってしまうし、トガリシロチョウの中でもベニシロチョウは木の上のほうに停まります。
 ところが、その他のトガリシロチョウやメスシロキチョウは近くに日の当たる木の葉や草があるとそこに停まって翅を開いてまるで日光浴をする様な動作をします。
 再び、水辺に日が差すと吸水に戻ってきます。

 この日は、昼過ぎにスコールが降り始め、メスシロキチョウやツマベニチョウは川岸からさっさと飛び立って行きました。
 20分ほどでスコールが小降りになったところで見に行くと、まだ少数の蝶しか先ほどの吸水地点に戻ってきていません。
 そのうち、日が照ってきました。
 そのとたんに、小川のすぐ上の木の葉に翅を閉じて停まっていたメスシロキチョウが一斉に翅を広げました。
 たくさんのメスシロキチョウが雨にぬれて瑞々しい緑の葉の上で、陽光に輝いて翅を開く姿は圧巻でした。

 今日はその他に、メスシロキチョウの名前の元、白地のメスの交尾拒否の写真も撮れたのでUPします。

 Exif情報の詳細が必要な方は、フォト蔵‐メスシロキチョウその2でご確認ください。

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<10/06/06撮影 ぺブリ県 D300 VR 70-200mmF/2.8G ×1.7>
公園の中を流れるプランブリ川の源流の岸辺の日が当たるところでは、このメスシロキチョウなどの大吸水集団ができていました。
メスシロキチョウは前翅表面の翅端から外縁がオレンジ色の紋を囲んで黒くなっており、翅を閉じて停まると前肢の外縁が薄黒く見えますね。
雨季に入って一層濃くなった木々の緑が小川に映っています。

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<10/06/06撮影 ぺブリ県 D300 VR 70-200mmF/2.8G ×1.7>
俄かに日が陰ってスコールが降りだしたかと思ったら、20分ほどで止みました。
雲の切れ目から、日が差して小川の上の木の葉をを照らしました。
ここに、飛び上がっていたメスシロキチョウのオスが一斉に翅を開きました。

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<10/06/06撮影 ぺブリ県 D300 VR 70-200mmF/2.8G ×1.7>
メスシロキチョウたちが翅を開いていた位置は、地上からほぼ5mほどの高さのところでした。
この後、30分ぐらいしてこの写真の撮影場所に戻ると、木の上のメスシロキチョウの大半はまた、今日の一枚目の写真の吸水場所に集まっていました。

以下は、同じ日の公園内で見られた、メスシロキチョウのオスの求愛とメスの交尾拒否です。
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<10/06/06撮影 ぺブリ県 D300 VR 70-200mmF/2.8G ×1.7>
葉蔭に停まっていたメスにオスが覆いかぶさるように近づいて求愛です。
メスシロキチョウの名前の通り、メスはオスと違って翅全体が白地に黒い太い帯の模様です。

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<10/06/06撮影 ぺブリ県 D300 VR 70-200mmF/2.8G ×1.7>
メスはお尻を上げて盛んに交尾拒否をしていました。

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<10/06/06撮影 ぺブリ県 D300 VR 70-200mmF/2.8G ×1.7>
オスは拒否されても拒否されても、求愛です。
まるで口づけをせまるようなオスの仕草でした。