今日は、ワモンチョウの仲間です。

 ワモンチョウは熱帯東南アジアを中心に分布する蝶の仲間で、びっくりするような鮮やかな青い構造色を持った仲間や翅裏に目玉模様を持った仲間など、ほかの蝶とかなり違って不思議な蝶たちです。
 活動する場所や時間も、森深くの暗い谷間や早朝や夕方とあまり太陽が好きではないんですね。

 今日紹介のコノハワモンとトガリバワモンチョウの仲間もそうした暗い森の中でストロボを使って撮影しました。

 さて、今日紹介の蝶は
ヒメクロモンコノハワモン(Discophora sondaica zal)

masoniトガリバワモンチョウ(Zeuxidia masoni)
です。

 ヒメクロモンコノハワモンは雨季にサラブリ県の滝のある国立公園の滝の手前の濡れてコケが生えた岩に停まったところを撮影しました。
 ほとんど真っ暗な中を結構なスピードで飛んできたなと思ったら、停まってくれました。
 閉じた翅の裏面が薄っすらと紫を帯びて不思議な色合いと紋様でした。

 masoniトガリバワモンチョウはカオヤイ国立公園のラムタコーン川沿いの森で撮影しました。
 近くにたくさんの赤い実を着けるセンダン科の木があって、サイチョウやクロオオリス、シロテテナガザルなどによく会えるところです。
 川に近いので、森の地面にはゾウの糞もたくさんありました。
 この蝶のオスの翅の表はきれいな青紫色をしていて、飛んでいるときは薄暗い中で鮮やかな青紫が目立っていたのですが、残念ながら他のワモンチョウの仲間と同じく停まったときは翅を開いてくれませんでした。
 オスは、翅の裏も今日最初のヒメクロモンコノハワモンと同じく薄い紫を帯びていました。

 Exif情報の詳細が必要な方は、フォト蔵‐コノハワモン、トガリバワモンチョウの仲間でご確認ください。

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<09/08/23撮影 サラブリ県 D300 VR 105mm F/2.8G ×1.4 ストロボ>
ヒメクロモンコノハワモンのオスです。
翅の裏面の一部が薄っすらと紫色を帯びて不思議な色合いです。
とっても暗いところを飛んできて停まりました。

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<10/03/20撮影 カオヤイNP D700 VR 105mm F/2.8G ×1.4 ストロボ>
masoniトガリバワモンチョウのオスです。
翅の欠けた部分から表面の濃い青紫色がちらっと見えますね。
翅の裏面も全体に紫色を帯びていました。
この子も、薄暗い所をメスと一緒に飛んだり停まったりしていました。

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<10/03/20撮影 カオヤイNP D700 VR 105mm F/2.8G ×1.4 >
masoniトガリバワモンチョウのメスです。
オスと異なり翅の表面も裏面も全体的に焦げ茶色でした。
この1枚だけが、木漏れ日が当たるところでストロボなしで撮れました。