今月はじめ、7ヶ月ぶりに世界自然遺産ドンパヤーイェン-カオヤイ森林地帯の東の中心、サケオ県にある国立公園に行ってきました。
 Butterfly Areaが設置されている標高の低いあたりは、落葉性フタバガキが中心の乾燥落葉林になっており乾期(寒季から暑季のはじめ)はからからに乾いています。
 先月終わりあたりからバンコクでも何度か雷雨がありましたし、このところ記事で紹介したようにペブリ県の山岳地帯では蝶の大吸水集団ができていましたので、、そろそろここも湿ったところができて蝶も集まっているかなと思って行きました。
 大きな間違いで、内陸の熱帯サバンナの中心、まだ低地はカラカラに乾いていました。
 特に今年は国内46県に乾燥注意報、そのうち4県に干ばつ警戒警報が出ていて、例年より乾燥がひどいようです。
 有名な滝も水が全くありませんでしたし、Butterfly Area近くのトレイルの中の小川には一滴も水がありませんでした。
 
 当然まだ蝶も少なく、あと一ヶ月ほど待たないとたくさんの蝶には会えないようです。
 少ないながらButterfly Areaにはここの定番、トガリシロチョウ、ムモンキチョウ、ビロードタテハなどが何頭か集まっていました。

 今日は、ここに集まっていたトガリシロチョウの仲間、
ナミエシロチョウ(Appias paulina adamsoni)
です。

 Butterfly Areaには以前訪れた時にカワカミシロチョウが吸水していましたが、よく見るとこの日吸水しているシロチョウはトガリシロチョウなのですが多数の前翅裏面に黒点がありました。
 ずいぶんカワカミシロチョウのメスがたくさんいると思っていたら表面の黒い紋も若干違うし、前翅の尖り方もカワカミシロチョウほど尖っていませんでした。
 
 そこで、ナミエシロチョウのオスと判断しましたがいかがでしょう? 

DX3_6161
<10/04/03撮影 サケオ県 D300 VR 300mm F/2.8G ×1.7>
真中左の2頭と右の一番手前の1頭がカワカミシロチョウで、残りはすべてナミエシロチョウ。
後翅を通して薄っすらと前翅裏面の黒点が見えます。
前翅の尖り方が、カワカミシロチョウほど鋭くありません。

DX3_6109
<10/04/03撮影 サケオ県 D300 VR 300mm F/2.8G ×1.7>
前列左からナミエ、カワカミ、カワカミ、ナミエシロチョウ。
右から3頭目の前翅表面の黒い紋様は、裏表ともはっきりした黒点になるカワカミシロチョウの前翅黒点タイプ(4月10日カワカミシロチョウの最後の写真)とは少し異なります。

DX3_6264
<10/04/03撮影 サケオ県 D300 VR 300mm F/2.8G ×1.7>
前翅裏面の黒点は、このように薄くてはっきりしないタイプと、次の写真のように鮮明なタイプがあります。

DX3_6256
<10/04/03撮影 サケオ県 D300 VR 300mm F/2.8G ×1.7>

CIMG4890
<10/04/03撮影 サケオ県 EX-FH25 HS連写>
ボケた写真で申し訳ありません。
しかし、前翅表面上端の黒い紋様がカワカミシロチョウと異なるのがよく分かります。